カラフルで、まるで宝石のような姿をした「モンハナシャコ」。
きれいな生き物だと思って近づくブリントですが、げそ丸は慌てて止めます。実はモンハナシャコには、硬い貝殻を割るほど強力な武器があるのです。

モンハナシャコってどんな生き物?
モンハナシャコは、インド洋や太平洋の暖かい海に生息するシャコの仲間です。
緑や青、赤、オレンジなどが入り交じった非常に鮮やかな体色をしており、英語では「Peacock mantis shrimp(クジャクのようなシャコ)」と呼ばれます。
岩穴などを住みかにして、貝やカニなどを捕まえて食べています。
「パンチ」の正体はハンマー状の前脚
モンハナシャコが使うのは、人間のような拳ではありません。
胸の近くにある「捕脚」と呼ばれる脚の先端が、硬いハンマーのような形になっています。この捕脚を折りたたんで力をため、一気に振り出して獲物をたたきます。
その動きは非常に速く、研究では水中で最高約23メートル毎秒に達する打撃が記録されました。Duke University・Patek研究室
硬い殻を持つ貝やカニも、この一撃で割られてしまうことがあります。
水中に「キャビテーションの泡」が発生する
モンハナシャコの打撃がすごい理由は、直接ぶつかる力だけではありません。
捕脚が猛烈な速さで動くと、その周囲の水圧が急激に下がり、「キャビテーション」と呼ばれる気泡が発生します。
この気泡はすぐに潰れ、そのときにも衝撃が生じます。つまり獲物には、
- 捕脚が当たる直接の衝撃
- キャビテーションの泡が潰れる衝撃
という、連続した力が加わるのです。
実験では、直接の打撃で最大約1,500ニュートン、気泡の崩壊でも追加の力が測定されています。Journal of Experimental Biologyの研究
小さな体はどうして壊れないの?
これほど強い衝撃を繰り返せば、モンハナシャコ自身の捕脚も壊れてしまいそうです。
ところが、ハンマー部分は衝撃に耐えやすい特殊な層構造をしています。また、体内には筋肉の力を一度ためてから一気に解放する、ばねのような仕組みがあります。
小さな体で高速の一撃を繰り出せるのは、頑丈な捕脚と巧みなばね構造のおかげなのです。
見つけても触らないで観察しよう
モンハナシャコがいつでも人間を攻撃するわけではありません。しかし、捕まえようとしたり、巣穴へ手を入れたりすれば、防御のために打撃を繰り出す可能性があります。
海で見つけても手を出さず、少し離れた場所から観察しましょう。
ブリントの一言
「握手はやめて、遠くから応援するブリ〜!」


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