
イソギンチャクの中でくらすカクレクマノミには、ちょっとびっくりするしくみがあります。それは、オスからメスへ性転換することがあるということ。
でも、「大きくなったら自動でメスになる」という単純な話ではありません。今回は、カクレクマノミの群れの順番と性転換のひみつを、ブリントたちと見ていきましょう!

順番がある
カクレクマノミは、イソギンチャクの近くにペアや小さなグループでくらします。グループの中には、体の大きさにもとづくはっきりした順位があります。
一般に、いちばん大きい個体が繁殖するメス、二番目に大きい個体が繁殖するオスです。それより小さい個体は、まだ繁殖に参加していない未成熟のなかまです。カクレクマノミを含むクマノミ類の研究でも、この大きさによる社会的な順位が報告されています。
いちばん大きいのはメス
クマノミ類は雄性先熟(ゆうせいせんじゅく)と呼ばれる性転換をします。これは、まずオスとして成熟し、あとからメスへ変わることがある仕組みです。
大切なのは、「小さい個体がみんなオス」というわけではないことです。小さい個体には、まだ繁殖できない未成熟の魚もいます。群れの中で繁殖をするのは、基本的に最大のメスと二番目のオスです。
メスがいなくなると何が起きる?
いちばん大きなメスがいなくなると、二番目に大きかった繁殖オスの順位が上がります。そして、そのオスがメスへ性転換します。
そのあと、小さい未成熟の個体のうち、いちばん大きい個体が繁殖オスの位置へ上がります。こうして群れは、繁殖ペアを保ちやすくしているのです。性転換の分子・社会的な仕組みを扱った研究でも、メスがいなくなったことがオスからメスへの性転換の重要なきっかけになると説明されています。
大きさと順位、どちらが大切?
答えは、どちらも大切です。
群れの順位は体の大きさと強く結びついています。最大の個体がメスで、二番目がオスという並びです。一方、性転換が始まる直接のきっかけは、ただ大きくなったことではなく、メスがいなくなり、繁殖オスの社会的な順位が最上位に上がることです。
つまりカクレクマノミは、群れの状況に合わせて役割を引き継ぐ魚。イソギンチャクという小さなすみかでも、仲間どうしの順番を上手に保っているんですね。
まとめ
- カクレクマノミの群れには、大きさによる順位がある
- いちばん大きい個体が繁殖メス、二番目が繁殖オス
- 小さい個体には、まだ繁殖しない未成熟のなかまがいる
- メスがいなくなると、繁殖オスがメスへ性転換する
- さらに小さいなかまの中で最大の個体が、繁殖オスの役割を引き継ぐ
ブリントからの一言
「カクレクマノミは、ただ大きくなっただけで性転換するわけじゃないブリ! メスがいなくなって順位が上がると、次のメスになる準備が始まるんだブリ〜!」


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